2027年1月から、0歳から使える「こどもNISA」が始まります。「子どものために始めたほうがいいの?」というご相談が増えてきました。
先に結論をお伝えします。こどもNISAは、しなくて大丈夫です。
子どものためのお金は、親のNISAと預金で十分に準備できます。それよりも、必要以上に貯めすぎず、家族や子どもとの思い出に使ってほしいというのが、家計改善アドバイザーとしての私の考えです。
こどもNISAってどんな制度?
こどもNISAは、子ども名義で使えるNISAの新しい枠です。今わかっている内容をまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 始まる時期 | 2027年1月から |
| 使える年齢 | 0〜17歳 |
| 年間に入れられる金額 | 60万円まで |
| 非課税で持てる上限 | 600万円まで |
| 買える商品 | つみたて投資枠と同じ投資信託 |
| お金を引き出せる時期 | 原則12歳から(それより前は制限あり) |
| 18歳になったら | 大人のNISAに自動で切り替わる |
※2026年10月時点の公表内容です。金融機関ごとの取り扱いや手続きは、正式な案内をご確認ください。
「子どものために非課税で増やせる」と聞くと、やらないと損な気がしますよね。でも、わが家に本当に必要かどうかは別の話です。
こどもNISAをしなくて良い4つの理由
① 親のNISAで十分に準備できる
大人のNISAは、1人あたり1,800万円まで非課税で投資できます。夫婦なら3,600万円です。ほとんどのご家庭は、この枠を使い切る前に教育費の準備が終わります。
親の名義で積み立てておけば、教育費にも、急な出費にも、老後にも、そのときの家計に合わせて使い道を決められます。わざわざ子ども名義に分ける必要はありません。
② 子ども名義のお金は「子どものお金」になる
こどもNISAで増えたお金は、親のお金ではなく子どものお金です。あとから「やっぱり親の口座に戻そう」と思っても、簡単にはいきません。
私自身、子ども名義のNISAで失敗した経験があり、Instagramでもお話ししました。
銘柄選びを失敗していた子どもNISAを売却(現金に)して「親のNISAで運用すればいいかな」
けーさんのInstagramより
そう思っていました。
でも実は落とし穴があります。
子ども名義のNISAを売却したお金は、子ども名義の銀行口座へ移動します。
そして、子ども名義の銀行から親名義の口座へ移すと贈与になります。
もともとNISAだったお金でも、現金になって親子の間を移動すれば贈与として扱われます。子ども名義で始めるなら、先に「出口」まで考えておく必要があります。
③ 使いたいときに、使いたい分だけ使いにくい
こどもNISAは、原則12歳になるまで引き出しに制限があります。12歳以降も、自由に引き出せるわけではありません。現金化するときは、使う金額を証明する書類を金融機関に提出する必要があり、手間がかかります。
教育費は「入学金」「制服」「塾代」など、支払いの時期が決まっているものばかり。使いたいときにすぐ使えないお金は、家計の安心につながりません。
以前のジュニアNISAでも、引き出しのしにくさに驚いたことがあります。
ジュニアNISAは、必要な分だけ引き出すということができません。
けーさんのInstagramより
払い出す場合は、①保有している銘柄をすべて売却 ②ジュニアNISA口座を閉鎖 ③お子さん名義の銀行口座へ出金 という流れになります。
こどもNISAは口座を閉じなくても引き出せる仕組みですが、書類の提出が必要な点は同じです。「子ども名義のお金は、親の都合で自由に動かせない」と考えておきましょう。
とくに中学・高校の入学費用のように、近いうちに使うお金を投資に回すと、値下がりしたタイミングで取り崩すことになるリスクもあります。
④ 貯めすぎると「今」を我慢することになる
いちばんお伝えしたいのは、ここです。
「年60万円まで入れられるなら、入れておこう」と枠を埋めることが目的になると、毎月の家計がどんどん苦しくなります。
貯められるだけ貯めるのではなく、未来から逆算して“今”とのバランスを考える。
けーさんのInstagramより
将来も今も楽しむための家計を作っていきましょう。
将来のお金が貯まっていても、今使えるお金がなくて、子どもの習い事や家族旅行を我慢していたら本末転倒です。子どもと一緒に過ごせる時間は、思っているよりずっと短いもの。必要な分だけ準備して、残りは家族の思い出に使ってください。
こどもNISAで知っておきたい注意点
贈与税:誰がいくら出したかを記録する
親や祖父母のお金を子ども名義で積み立てると、子どもへの贈与として扱われます。贈与税には年間110万円の基礎控除がありますが、こどもNISAの60万円だけを見ればいいわけではありません。お祝い金や祖父母からの援助なども合わせて考える必要があります。
また、生活費や教育費として「必要なときにその都度」渡すお金は贈与税がかかりません。でも、「大学費用にしてね」ともらったお金でも、預金や投資に回すと扱いが変わることがあります。教育費の名目なら必ず非課税、というわけではないので注意しましょう。
子ども名義で積み立てるなら、入金した日・入金した人・金額・目的を記録しておくと安心です。
18歳になると大人のNISAに切り替わる
こどもNISAは、18歳になると大人のNISAに自動で切り替わります。そのお金は、名実ともに子ども本人のものです。「親が教育費に使うつもりだった」としても、子ども本人の資産として扱われることを覚えておきましょう。
取り扱いの詳細はこれから
制度の大枠は決まっていますが、金融機関ごとの取り扱い開始日、必要な書類、買える商品の一覧などは、まだ正式な案内を待つ段階です。「今すぐ申し込まなきゃ」と焦る必要はありません。
こどもNISAを考えてもいいのは、こんな家庭だけ
ほとんどのご家庭には、こどもNISAは必要ありません。考えてもいいのは、次のすべてに当てはまる場合だけです。
- 夫婦のNISA枠(1人1,800万円)を毎年使い切っている
- 生活防衛資金と、近いうちに使う教育費を預金で別に用意できている
- 使う時期が大学以降など、かなり先のお金である
- 祖父母からの援助も含めて、入金のルールと記録を決められる
- 子ども名義のお金を、親の都合で使わないと決められる
1つでも当てはまらないなら、こどもNISAはしなくて大丈夫です。
こどもNISAの代わりにやること
子どものお金は、次の3つに分けて考えるとシンプルです。
| お金の種類 | 準備のしかた |
|---|---|
| 数年以内に使う教育費 (入園・入学・中学・高校) | 預金で準備する |
| 大学など先に使う教育費 | 入学まで15年以上あるなら、親のNISAでコツコツ積み立てる |
| それ以外のお金 | 家族旅行・習い事・体験など「今」に使う |
大切なのは、「いつ・いくら必要か」を先に決めることです。必要な金額がわかれば、「もっと貯めなきゃ」という漠然とした不安が減り、今使っていいお金も見えてきます。
夫婦と子ども2人(3歳・1歳)の家庭の場合
- 大学費用の目標:1人300万円×2人=600万円
- 親のNISAで月3.5万円を15年間積み立て(上の子が18歳になるまで・年3%で運用した場合)→ 約790万円
- 2人分の大学費用は、親のNISAだけで間に合う
→ こどもNISAで年60万円を入れなくても準備できます。浮いたお金は、今しかできない家族の思い出に。
※運用の結果は一例で、将来の成果を約束するものではありません。
まとめ
- こどもNISAはしなくて大丈夫
- 教育費は「預金」と「親のNISA」で十分に準備できる
- 子ども名義のお金は、親の口座に戻すと贈与になることも
- 引き出しには制限や書類の提出があり、使いたいときに使いにくい
- 親や祖父母のお金を入れると、贈与の記録も必要になる
- 必要な分だけ貯めて、残りは家族・子どもとの思い出に使う
お金を貯めることは、目的ではなく手段です。子どもが「楽しかったね」と思い出せる時間に、ぜひお金を使ってくださいね。
「わが家の場合はいくら準備すればいい?」と気になったら、無料相談でお気軽にご相談ください。
保険を売らないFPが、中立な立場で一緒に考えます。

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