積立投資と一括投資、どっちがいい?「ジャックとジル」の話でわかる一番大切なこと

「投資を始めるなら、毎月コツコツ積み立てたほうがいいの?」「まとまったお金があるなら、一気に入れたほうが増える?」。NISAを始めるときに、多くの方が迷うポイントです。

結論からお伝えすると、積立か一括かよりも大切なのは「いつ始めて、どれだけ長く続けるか」です。有名な「ジャックとジル」の例え話を使って、やさしく解説します。

目次

積立投資と一括投資の違い

積立投資一括投資
買い方毎月決まった金額を、少しずつ買うまとまったお金を、一度に買う
向いている人毎月のお給料から投資したい人ボーナスや満期金など、まとまったお金がある人
値上がりが続くとき一括より増えにくい増えやすい
値下がりしたとき安く多く買えるので、回復が早い損が大きくなりやすい
気持ちの負担小さい(買う時期に悩まない)大きい(買った直後に下がると不安)

数字で比べてみよう

長い目で見ると、一括のほうが増えやすい

株や投資信託は、長い目で見ると右肩上がりになりやすいもの。そのため、早くお金を入れた一括投資のほうが、運用できる期間が長くなる分、増えやすい傾向があります。

360万円を、年5%で10年間運用した場合

  • 一括投資(最初に360万円):約586万円
  • 積立投資(毎年36万円×10年):約453万円

→ 同じ360万円でも、一括のほうが約130万円多くなります。お金が「長く働いた」分の差です。

値下がりしたときは、積立が強い

一方で、相場はいつも上がるわけではありません。積立投資は、値段が下がったときに同じ金額でたくさん買えるので、回復したときに利益が出やすくなります。これを「ドルコスト平均法」といいます。

3か月で3万円を投資値段の動き3か月後
積立(毎月1万円)1万円 → 5,000円 → 1万円
(下がって戻った)
1口+2口+1口=4口
4万円(+1万円)
一括(最初に3万円)3口
3万円(±0円)
積立(毎月1万円)1万円 → 2万円 → 2万円
(上がり続けた)
1口+0.5口+0.5口=2口
4万円(+1万円)
一括(最初に3万円)3口
6万円(+3万円)

つまり、上がり続けるなら一括、下がることがあるなら積立が有利。でも、この先どうなるかは誰にもわかりません。だからこそ、どちらが正解かを当てようとするより、次の「ジャックとジル」の話を知ってほしいのです。

※計算例はわかりやすくするための目安です。手数料や税金は含めていません。将来の運用成果を約束するものではありません。

「ジャックとジル」の話:大切なのは早く始めること

複利の力を表す、有名な例え話があります。

弟のジャック姉のジル
投資した期間18〜25歳の8年間だけ
(その後は積立をやめて、置いておくだけ)
26〜65歳の40年間
毎年の投資額50万円50万円
投資した合計400万円2,000万円
65歳の資産
(年10%で運用)
約2億5,900万円約2億2,100万円

ジャックが投資したのは、ジルの5分の1の400万円だけ。それなのに、65歳のときにはジャックのほうが約3,700万円も多くなっています。

理由は、お金が働いた「時間」の長さです。ジャックが早く入れたお金は、47年間も複利で増え続けました。早く始めることが、どれだけ大きな力になるかがわかりますね。(複利のしくみは単利と複利の記事で解説しています)

ただし、年10%は高めの想定です

年10%は、アメリカの株式市場(S&P500)の過去の平均に近い数字ですが、これから先も同じとは限りません。もう少し控えめな年5%で計算し直すと、結果は変わります。

年5%で運用した場合投資した合計65歳の資産増えた倍率
ジャック400万円約3,360万円約8.4倍
ジル2,000万円約6,040万円約3倍

年5%なら、金額ではジルが逆転します。それでも、ジャックの400万円は約8.4倍に増えていて、早く入れたお金ほどよく増えることに変わりはありません。そして、ジルのように長く続けることも、同じくらい大きな力になります。

※毎年末に50万円を投資し、利回りが毎年一定と仮定した計算です。参考:リベラルアーツ大学「複利のすごさが分かるエピソード」

積立か一括か、迷ったときの考え方

ジャックとジルの話からわかるのは、「積立か一括か」で悩んで始めるのが遅れることが、いちばんもったいないということです。

毎月のお給料から投資するなら:積立でOK

子育て中のご家庭は、まとまったお金より「毎月の余裕」から投資することがほとんど。この場合は、迷わず毎月の積立で大丈夫です。お給料が入ったら自動で買う設定にしておけば、買う時期に悩むこともありません。

まとまったお金があるなら:使う予定のないお金だけ

ボーナスや保険の満期金など、まとまったお金がある場合は、次の順番で考えましょう。

  • まず、生活防衛資金(生活費の半年〜1年分)は預金で残す
  • 5年以内に使う予定のお金(入学金・車の買い替えなど)も預金で残す
  • 残った「当分使わないお金」は、一括で入れても合理的
  • 一括が不安なら、半年〜1年に分けて入れるのもひとつの方法

NISAなら、両方を組み合わせられる

NISAは、つみたて投資枠(年120万円)と成長投資枠(年240万円)の合計で、年360万円まで投資できます。毎月の積立はつみたて投資枠で、ボーナスなどのまとまったお金は成長投資枠で、と使い分けることもできます。くわしくはNISAとiDeCoの違いの記事や、投資信託の選び方の記事もご覧ください。

まとめ

  • 上がり続けるなら一括、値下がりがあるなら積立が有利。でも、先のことは誰にもわからない
  • ジャックとジルの話のとおり、いちばん大切なのは「早く始めて、長く続ける」こと
  • 毎月のお給料から投資するなら、積立で十分
  • まとまったお金は、生活防衛資金と近いうちに使うお金を残してから
  • 「どっちがいいか」で悩みすぎて、始めるのが遅れないように

ただし、投資は「たくさん増やすこと」が目的ではありません。今の暮らしや家族との時間も大切にしながら、無理のない金額で続けていきましょう。

「わが家は毎月いくら投資すればいい?」と迷ったら、お気軽に無料相談へ。
保険を売らないFPが、中立な立場で一緒に考えます。

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