「銀行がつぶれたら、預けているお金はどうなるの?」「NISAの証券会社が倒産したら?」「保険会社が破綻したら、保険金はもらえる?」。大切なお金を預けているからこそ、気になりますよね。
実は、金融機関が倒産したときに私たちのお金を守るセーフティネットが、それぞれ用意されています。ただし、守られる範囲には限りがあるので、仕組みを知っておくことが大切です。
ひと目でわかる!倒産したときに守られる範囲
| 預け先 | 守る仕組み | 守られる範囲 |
|---|---|---|
| 銀行・ゆうちょ銀行 | 預金保険制度 | 1人1金融機関あたり 元本1,000万円+利息まで |
| 証券会社 | 分別管理+日本投資者保護基金 | 株や投資信託は原則そのまま戻る (返せない場合は1,000万円まで補償) |
| 生命保険会社 | 生命保険契約者保護機構 | 責任準備金の90%まで (保険金が減ることがある) |
| 損害保険会社 | 損害保険契約者保護機構 | 保険の種類によって80〜100% |
※2026年10月時点の制度です。
銀行・ゆうちょ銀行が倒産したら
1,000万円とその利息までは守られる
銀行が倒産しても、預金保険制度によって、1人1金融機関あたり元本1,000万円とその利息までは守られます。これを「ペイオフ」といいます。ゆうちょ銀行も対象です。
1,000万円を超えた分は、倒産した銀行の財産の状況によって、一部しか戻ってこない可能性があります。実際に2010年には、日本振興銀行の破綻で初めてペイオフが実施されました。
ひとつの銀行に1,500万円を預けていた場合
- 1,000万円とその利息:全額守られる
- 残りの500万円:一部しか戻らない可能性がある
→ 1,000万円を超える場合は、銀行を分けて預けると安心です。
知っておきたいポイント
- 同じ銀行の口座はまとめて計算:支店が違っても、同じ銀行なら合計で1,000万円まで
- 家族はそれぞれ1,000万円:夫・妻・子どもの名義ごとに守られる
- 決済用預金は全額守られる:利息がつかない代わりに、金額に関係なく全額保護
- 外貨預金は対象外:外貨預金は預金保険で守られない
- 銀行で買った投資信託は別:預金ではないので預金保険の対象外。ただし投資信託の財産は信託銀行で分けて保管されているので、銀行が倒産しても原則守られる(証券会社の「投資者保護基金」の補償はありません)
ゆうちょ銀行には、1人あたりの預け入れ限度額(通常貯金1,300万円+定期性貯金1,300万円)もあります。
証券会社が倒産したら
株や投資信託は「分別管理」で守られる
証券会社は、お客さんから預かった株や投資信託を、会社の財産と分けて管理することが法律で決められています(分別管理)。そのため、証券会社が倒産しても、預けていた株や投資信託は原則そのまま返ってきます。NISA口座で買ったものも同じです。
投資信託の中身は、運用会社でも証券会社でもなく、信託銀行で保管されています。運用会社が倒産した場合も、財産は守られる仕組みです。
万一のときは1,000万円まで補償
もし分別管理がきちんとされておらず、お金や株を返せない場合は、日本投資者保護基金が1人あたり1,000万円まで補償します。
値下がりは守られない
注意したいのは、守られるのは「預けた株や投資信託そのもの」だということ。値下がりして損をした分は補償されません。これは倒産とは関係なく、投資のリスクです。投資信託の仕組みは投資信託の記事をご覧ください。
生命保険会社が倒産したら
責任準備金の90%まで守られる
生命保険会社が倒産すると、生命保険契約者保護機構によって、契約は別の保険会社などに引き継がれます。ただし、守られるのは責任準備金(将来の保険金のために積み立てているお金)の90%までです。
そのため、倒産後は次のようなことが起こる可能性があります。
- 受け取れる保険金や解約返戻金が減る
- 予定利率(運用で約束していた利回り)が引き下げられる
- 一定期間、解約するとさらに減額される(早期解約控除)
影響が大きいのは「貯蓄型保険」
掛け捨ての保険は、もともと積み立てているお金が少ないので、影響は比較的小さくて済みます。一方、終身保険や個人年金保険、学資保険などの貯蓄型保険は、積み立てているお金が多いぶん、減額の影響を大きく受けます。
1990年代後半〜2000年代はじめには、複数の生命保険会社が破綻し、多くの契約で保険金や予定利率が引き下げられました。保険は数十年続く契約です。保険と貯蓄を分けて考えることは、倒産のリスクを小さくすることにもつながります。くわしくは掛け捨て保険と貯蓄型保険の記事をご覧ください。
損害保険会社が倒産したら
火災保険や自動車保険などの損害保険会社が倒産した場合は、損害保険契約者保護機構によって保険の種類ごとに補償されます。
| 保険の種類 | 補償の割合 |
|---|---|
| 自賠責保険・地震保険 | 100% |
| 自動車保険・火災保険など | 倒産から3か月以内の事故は100% それ以降は80% |
| 医療保険・傷害保険など | 90% |
自動車保険や火災保険は、倒産後3か月を過ぎると補償が80%に下がります。倒産した場合は、早めに別の保険会社に切り替えましょう。
セーフティネットの対象外に注意
次のようなものは、上の保護の仕組みの対象外です。
- 外貨預金(預金保険の対象外)
- 少額短期保険(ペット保険・一部の医療保険など。保険契約者保護機構の対象外)
- 共済(JA共済・県民共済など。保護機構ではなく、それぞれの仕組みで運営)
- 暗号資産(仮想通貨)
加入している保険が「少額短期保険」かどうかは、保険証券やパンフレットで確認できます。
お金を守るためにできること
- ひとつの銀行に1,000万円以上を預けない(超えるなら銀行を分ける)
- 生活費の口座など、まとまったお金は決済用預金を使う方法も
- 投資は、大手の証券会社やネット証券で分別管理されている口座で
- 保険は掛け捨てで必要な分だけにして、貯蓄は預金やNISAで
- 少額短期保険や共済は、保護の範囲を知ったうえで選ぶ
金融機関の倒産は、めったに起こることではありません。それでも仕組みを知っておけば、必要以上に不安になることもなく、預け先を分けておくなどの備えができます。もしものときのお金については生活防衛資金の記事もあわせてご覧ください。
まとめ
- 銀行・ゆうちょ銀行は、1人1金融機関あたり元本1,000万円+利息まで守られる
- 証券会社の株や投資信託は、分別管理で原則そのまま戻る(値下がりは補償されない)
- 生命保険会社は責任準備金の90%まで。貯蓄型保険ほど影響が大きい
- 損害保険は種類によって80〜100%
- 外貨預金・少額短期保険・共済などは保護の対象外に注意
「わが家のお金の預け先、このままで大丈夫?」と気になったら、お気軽に無料相談へ。
保険を売らないFPが、中立な立場で一緒に考えます。
