保険の相談で「掛け捨てはもったいないから、お金が戻ってくる保険がいい」という声をよく聞きます。でも、本当にそうでしょうか?
保険を売らないFPとしての結論は、「保険は掛け捨てで必要な分だけ。貯蓄は預金やNISAで」と分けて考えることです。
掛け捨て保険と貯蓄型保険の違い
| 掛け捨て保険 | 貯蓄型保険 | |
|---|---|---|
| 主な種類 | 定期保険・収入保障保険・医療保険など | 終身保険・養老保険・学資保険・個人年金・外貨建て保険など |
| 保険料 | 安い | 高い |
| お金は戻る? | 基本的に戻らない | 解約や満期で戻る |
| 途中でやめると | 損はない | 元本割れしやすい |
30代で、死亡保障1,000万円を準備する場合の保険料のイメージ
- 掛け捨て(定期保険):月数千円程度
- 貯蓄型(終身保険):月2万円前後
→ 同じ保障でも、保険料には大きな差があります。
※年齢・性別・保険会社によって大きく異なります。
貯蓄型保険をおすすめしない理由
① 増える金額が小さい
貯蓄型保険は、保険料の中から保険会社の手数料や保障の費用が引かれます。今の時代、払った保険料に対して戻ってくる金額は、それほど多くありません。
② 途中でやめにくい
多くの貯蓄型保険は、途中で解約すると払った保険料より少なくしか戻りません。収入が減ったり、急な出費があったりしても、やめにくいお金になります。
③ インフレに弱い
受け取る金額が契約時に決まっている保険は、物価が上がるとお金の価値が目減りします(インフレの記事)。
④ 外貨建て保険は、為替のリスクも
「利回りが高い」とすすめられる外貨建て保険は、円高になると円で受け取る金額が減ります。手数料も分かりにくいので注意が必要です。
保険と貯蓄は分けて考える
| 目的 | おすすめの準備 |
|---|---|
| もしものときの保障 | 公的保障+必要な分だけ掛け捨て保険 |
| 近いうちに使うお金 | 預金 |
| 教育費・老後など先のお金 | 預金+NISA・iDeCo |
まずは国の保障(公的保障の記事)を知り、足りない分だけ掛け捨て保険で備える。そうすると、毎月の保険料がぐっと下がることも少なくありません。
保険のお金と、家族で使える資産の違い
保険と貯蓄を分けて考えるときに、もうひとつ知っておいてほしいことがあります。
| 保険のお金 | 自分で作った資産 (預金・NISAなど) | |
|---|---|---|
| 使える人 | 被保険者本人だけ | 家族の誰でも |
| 使えるとき | 保障の対象になる病気やケガのときだけ | いつでも |
| 使い道 | 決まった条件の入院・手術など | なんにでも |
| 何も起きなかったら | 掛け捨ては戻らない/貯蓄型は少ししか増えない | まるごと残る |
保険は、保険に入っている本人が、保障の対象になる病気やケガをしたときにしかお金が出ません。自分で作った資産なら、家族の誰が、いつ病気になっても使えます。そして病気にならなければ、家族との思い出でも、子どもの夢でも、なんにでも使えるお金になります。
保険は「起きたら家計が立ち行かなくなる大きなリスク」だけに絞って、残りのお金は家族みんなで使える資産づくりに回していきましょう。医療費については高額療養費制度の記事もご覧ください。
すでに入っている貯蓄型保険はどうする?
あわてて解約する必要はありません。解約すると元本割れすることが多いので、まずは今の契約内容(解約返戻金の推移・保障内容)を確認しましょう。払い済み(保険料の支払いを止めて保障を小さくする)にする方法もあります。
まとめ
- 掛け捨ては保険料が安く、貯蓄型は高い
- 貯蓄型は増える金額が小さく、途中でやめると元本割れしやすい
- 保険は掛け捨てで必要な分だけ、貯蓄は預金やNISAで
- 保険のお金は本人だけ、資産なら家族の誰でも・いつでも・なんにでも使える
- すでに入っている保険は、あわてて解約せずにまず確認
学資保険については学資保険とNISAの記事でくわしくお話ししています。
「今の保険、このままで大丈夫?」と気になったら、お気軽に無料相談へ。
保険を売らないFPが、中立な立場で一緒に考えます。
