2024年から新しいNISAが始まり、それまでの「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」は新しく買えなくなりました。でも、すでに持っている分は、それぞれの非課税期間が終わるまで非課税のままです。
「このまま置いておいていいの?」「期限が来たらどうなるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。特に、2022年に一般NISAで買った分は、2026年12月末で非課税期間が終わります。旧NISAとジュニアNISAの「出口」の考え方を、やさしくまとめました。
まず確認:持っているのはどれ?
| 非課税期間 | 新NISAに移せる? | 期限が来たら | |
|---|---|---|---|
| 旧・一般NISA | 買った年から5年間 | 移せない | 課税口座(特定口座など)に自動で移る |
| 旧・つみたてNISA | 買った年から20年間 | 移せない | 課税口座に自動で移る |
| ジュニアNISA | 子どもが18歳になる年の前年末まで | 移せない | 課税口座に自動で移る |
どれも、新NISAに「そのまま移す(ロールオーバー)」ことはできません。新NISAで持ちたい場合は、一度売って、新NISAで買い直すことになります。旧NISAの中で売った分には税金はかかりません。
※証券会社のマイページで、口座の種類と「何年に買った分か」を確認できます。
旧・一般NISA:期限が近い年から順番にチェック
非課税期間が終わる時期
| 買った年 | 非課税期間が終わる時期 |
|---|---|
| 2020年以前 | 終了済み |
| 2021年 | 2025年12月末(終了済み) |
| 2022年 | 2026年12月末(今年) |
| 2023年 | 2027年12月末 |
期限が来たらどうなる?
何もしなければ、期限の翌年の初めに課税口座(特定口座など)へ自動で移ります。このとき、移したときの値段が「買った値段(取得価額)」として扱われるのがポイントです。
値上がりしている状態で移るなら、それまでの利益には税金がかかりません。注意したいのは、値下がりしている(含み損の)状態で移るときです。
100万円で買った投資信託が、80万円に下がった状態で課税口座に移った場合
- 課税口座では「80万円で買った」ことになる
- その後、100万円まで値上がりしてから売ると
- 80万円からの値上がり分=20万円に税金がかかる
- 20万円×20.315%=約4万円
→ 元の値段に戻っただけなのに、税金がかかってしまいます。
一般NISAの出口、3つの選択肢
| 選択肢 | 向いているとき |
|---|---|
| ① 期限前に売って、新NISAで買い直す | 利益が出ているとき。利益を非課税で確定でき、新NISAでまた非課税で運用できる |
| ② そのまま課税口座に移す | 新NISAの枠をほかに使いたいとき。値上がりしていれば、それまでの利益は非課税のまま |
| ③ 期限前に売って、使う | 近いうちに使う予定があるとき(教育費・住宅など) |
含み損があるときは、どれを選んでも「損をなかったことにする」ことはできません。新NISAの枠に余裕があるなら、①で買い直して、これからの値上がりを非課税にするのもひとつの方法です。
旧・つみたてNISA:あわてなくて大丈夫
旧・つみたてNISAの非課税期間は20年間。いちばん早い2018年分でも2037年末まで非課税です(2023年分は2042年末まで)。
つまり、今すぐ何かをする必要はありません。新しく買い足すことはできませんが、そのまま置いておけば非課税で運用が続きます。
お金が必要になったら、旧NISAから先に使う
ひとつ覚えておきたいのは、取り崩す順番です。新NISAは非課税期間が無期限ですが、旧NISAには期限があります。教育費などでお金が必要になったときは、期限のある旧NISAから先に使い、新NISAは長く育てるのがおすすめです。
ジュニアNISA:2024年から、いつでも引き出せるように
ジュニアNISAは、以前は「18歳まで原則引き出せない」決まりでした。2024年からはこの制限がなくなり、年齢や理由に関係なく、いつでも非課税で引き出せるようになっています。
注意:一部だけは引き出せない
ただし、必要な分だけを引き出すことはできません。払い出すときは、次の流れになります。
- 保有している銘柄をすべて売却
- ジュニアNISA口座を閉鎖
- お子さん名義の銀行口座へ出金
手続きには書類の提出が必要で、お金を受け取るまでに時間がかかることもあります。入学金など使う時期が決まっているなら、数か月前から準備しておくと安心です。(こどもNISAとの違いはこどもNISAの記事でも紹介しています)
ジュニアNISAの出口、どう考える?
| 選択肢 | ポイント |
|---|---|
| ① 使う時期まで置いておく | 18歳になる年の前年末まで非課税で運用が続く。その後は課税口座へ自動で移る |
| ② 大きな出費のときに払い出す | 大学の入学金や一人暮らしの準備など、まとまったお金が必要なタイミングで全額を引き出す |
| ③ 18歳以降は、子ども本人の新NISAへ | 18歳からは子ども自身が新NISAを使える。払い出したお金で、本人が新NISAを始めることもできる |
ジュニアNISAのお金は、お子さんの名義の、お子さんの財産です。親の口座に移して親のNISAで運用し直すと、贈与や名義預金の問題になることがあるので注意しましょう。教育費や、お子さんのやりたいことのために使うのが基本です。
※参考:金融庁「2023年までのジュニアNISA」、日本証券業協会「2023年までのジュニアNISAに関するよくある質問」。手続きの方法は金融機関によって異なります。
出口戦略の早見表
| 今やること | |
|---|---|
| 旧・一般NISA(2022年分) | 12月末までに、売るか・移すかを決める |
| 旧・一般NISA(2023年分) | 2027年末までに決める。利益が出ているときに売って新NISAへ、も選択肢 |
| 旧・つみたてNISA | そのままでOK。お金が必要になったら、新NISAより先に取り崩す |
| ジュニアNISA | 使う時期と金額を決めておく。払い出しは全額なので、早めに準備 |
まとめ
- 旧NISA・ジュニアNISAは、新NISAに移せない。新NISAで持つなら「売って買い直す」
- 一般NISAの2022年分は2026年12月末で期限。含み損で課税口座に移ると、回復分に税金がかかる
- 旧・つみたてNISAは2037年以降が期限なので、あわてなくて大丈夫
- 取り崩すなら、期限のある旧NISAから先に
- ジュニアNISAは2024年からいつでも非課税で引き出せる。ただし全額・口座閉鎖になる
「出口」というと難しく聞こえますが、大切なのは「このお金を、いつ、何に使うか」を家族で決めておくことです。増やすことだけでなく、使う時期を決めておくことで、お金は家族の暮らしや思い出に役立ってくれます。NISAとiDeCoの違いや教育費の記事もあわせてご覧ください。
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保険を売らないFPが、中立な立場で一緒に考えます。
