「借金はできるだけしないほうがいい」「ローンは早く返すのが偉い」。そう思っている方は多いのではないでしょうか。私自身も、ずっとそう思っていました。
でも、お金の仕組みを学んでわかったのは、世の中は「金利差」で動いているということです。この仕組みを知っているかどうかで、家計の選択肢は大きく変わります。
金利差とは?銀行はどうやって利益を出している?
いちばんわかりやすいのが銀行です。銀行は、私たちから低い金利でお金を預かり、そのお金を高い金利で貸しています。その差が、銀行の利益になります。
| お金の流れ | 金利の目安 |
|---|---|
| 私たちが銀行に預ける(普通預金) | 年0.2%前後 |
| 住宅ローン(変動金利) | 年1%前後 |
| 銀行のマイカーローン | 年2%前後 |
| ディーラーローン | 年5〜7%前後 |
| カードローン・リボ払い | 年15%前後 |
※2026年10月時点のおおよその目安です。金融機関や審査によって異なります。
つまり、預金だけをしている人は「お金を安く貸している側」。リボ払いやカードローンを使っている人は「高い金利を払っている側」です。お金持ちや企業は、この金利差を味方につける側にいます。
金利差は、家計にも使える
この仕組みは、私たちの家計にも使えます。考え方はシンプルで、低い金利で借りられるお金は借りて、手元のお金は残しておく(または運用する)ことです。
金利差のイメージ
- 年1%で借りる
- 手元に残したお金を、年3%で運用できたら
- 差の年2%が、家計のプラスになる
→ 低金利で借りられるのは「信用」があるから。その恩恵を活かすという考え方です。
もちろん、運用は元本保証ではありません。それでも、手元にお金が残っていること自体が、家計の大きな安心になります。
例①住宅ローン:「短く・低金利」が正解とは限らない
住宅ローンは、金利が1%前後と、ほかのローンに比べてとても低い金利で借りられる特別なローンです。団体信用生命保険(団信)がついているので、万一のときは残りのローンがなくなる保障もあります。
Instagramでは、借入期間による違いをこんなふうにお話ししました。
たとえば、借入額3,980万円の場合
けーさんのInstagramより
・46年ローン(金利1.0%)月返済:89,981円/総支払:約4,967万円
・35年ローン(金利0.6%)月返済:105,084円/総支払:約4,414万円
総支払は35年の方が約550万円安い。でも46年の方が月々15,102円ゆとりがある。
その15,102円をNISAで年利6%・35年運用したら…約2,150万円に!
総支払額だけを見ると短いローンのほうがおトクに見えます。でも、毎月の手元のゆとりを運用に回せば、最終的に手元に残るお金は逆転することもあります。
※運用の結果は一例で、将来の成果を約束するものではありません。
また、「金利が安いのはネット銀行」とは限りません。長い期間で借りたい場合は、地方銀行のほうが有利なケースもあります。どの条件がいいかは、教育費や老後など、家族のライフプラン全体から判断することが大切です。
例②奨学金:「借金」ではなく、選択肢のひとつ
奨学金も、金利差の考え方で見ると印象が変わります。日本学生支援機構の奨学金には、利息のない「第一種」と、利息がある「第二種」があります。
| 第一種 | 第二種 | |
|---|---|---|
| 利息 | なし | あり(上限年3%) |
| 在学中の利息 | なし | なし(卒業後からかかる) |
| 条件 | 成績・家計の基準がきびしめ | 第一種より基準がゆるやか |
第二種でも、在学中は利息がかかりません。卒業までに返してしまえば、実質的に利息なしで借りられます。その間、手元のお金を減らさずに済むので、急な出費や下の子の教育費にも対応しやすくなります。
私も「借金=悪」と思っていたので、高校・大学は、奨学金は選ばずに働きながら学費を払いました。
けーさんのInstagramより
選んだ道に後悔はありませんが、奨学金をきちんと理解していれば「もっと選択肢が広がったかも」と感じる場面もあります。
大学にかかるお金については、教育費の記事でくわしくまとめています。
例③車のローン:金利の差で、車1台分の差に
同じ車を買うときでも、どこでローンを組むかで支払う金額は大きく変わります。
同じ車でも、ローンの選び方ひとつで150万円差が出ます。
けーさんのInstagramより
銀行ローン(1.75%)とディーラーローン(6.99%)この差は車1台分。
大事なのは、金利・所有権・トータルコスト、この3つで判断すること。
ディーラーで「今決めないと間に合わない」とすすめられても、一度銀行のマイカーローンも比べてみましょう。
高い金利を「払う側」にならないこと
金利差を味方につけるうえで、いちばん大切なのは高い金利を払わないことです。
- リボ払い・カードローン(年15%前後)は、使わない
- ディーラーローンなど金利の高いローンは、借り換えも検討
- 「早く返さなきゃ」と、手元のお金を減らしすぎない
「借金は恥ずかしい」「早く返すのが偉い」って思って、頑張って繰上げ返済しようとしてない?
けーさんのInstagramより
それだと手元にお金がなくなって、子どもを塾に行かせられない、家族旅行を我慢することになる。
頑張って返済するより、手元に資産を残して“今”を楽しむ方が大事!
低い金利のローンを無理に繰上げ返済するより、手元にお金を残しておくほうが、教育費や家族の思い出にお金を使えます。
金利差を活かすときの注意点
- 返せる範囲で借りる:毎月の返済が家計を圧迫しないことが大前提
- 金利の上昇に備える:変動金利は、これから上がる可能性もある
- 運用は元本保証ではない:値下がりしても困らない範囲で
- 生活防衛資金を先に確保する:もしものときのお金は預金で(生活防衛資金の記事)
- ライフプランから考える:いつ・何に・いくら必要かを先に決める
「借りる・借りない」に正解はありません。大切なのは、お金を軸にするのではなく、どんな人生を送りたいかを先に考えること。お金は、その希望を叶えるための手段です。
まとめ
- 世の中は「金利差」で動いている。銀行は安く預かって高く貸している
- 低金利で借りられるお金は、家計の味方にもなる
- 住宅ローンや奨学金は、正しく知れば立派な選択肢
- リボ払いなど、高い金利を払う側にならない
- 返せる範囲で、ライフプランから判断する
「住宅ローンや教育費、どう考えたらいい?」と迷ったら、お気軽に無料相談へ。
保険を売らないFPが、中立な立場で一緒に考えます。
