「年収」「所得」「手取り」。似た言葉ですが、実はそれぞれ意味が違います。扶養や税金の話でよく出てくるので、ここで一度整理しておきましょう。
4つの言葉の違い
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 収入(年収) | 1年間に入ってきたお金の合計 (会社員なら給与明細の「総支給額」の合計) |
| 所得 | 収入から「経費」を引いたもの |
| 課税所得 | 所得から「所得控除」を引いたもの (ここに税率をかけて税金が決まる) |
| 手取り | 収入から税金と社会保険料を引いた、実際に使えるお金 |
収入と所得はどう違う?
会社員の場合
会社員には、スーツ代や仕事の道具など、仕事にかかる「経費」があると考えられています。この経費のかわりに、年収に応じて決まった金額を引けるのが給与所得控除です。
給与所得(所得)= 年収 − 給与所得控除
| 年収 | 給与所得控除 | 所得 |
|---|---|---|
| 136万円 | 74万円 | 62万円 |
| 300万円 | 98万円 | 202万円 |
| 500万円 | 144万円 | 356万円 |
| 700万円 | 180万円 | 520万円 |
※2026年分の給与所得控除で計算しています。
自営業・フリーランスの場合
自営業やフリーランスは、実際にかかった経費を引きます。事業所得(所得)= 売上 − 必要経費です。
税金はどうやって決まる?
所得からさらに所得控除(基礎控除・社会保険料控除・扶養控除など)を引いたものが「課税所得」。ここに税率をかけて、所得税が決まります。
年収500万円の会社員(独身)の場合
- 年収:500万円
- 給与所得控除:−144万円 → 所得:356万円
- 社会保険料控除:−約75万円
- 基礎控除:−104万円
- 課税所得:約177万円
- 所得税:約177万円×5%=約8.9万円
→ 年収500万円でも、税金がかかるのは約177万円分だけ。控除が多いほど、税金は少なくなります。
※2026年分で計算しています。基礎控除は所得によって金額が変わります(合計所得489万円以下なら104万円)。住民税は別に計算されます。
「所得」で判断されることが多い
扶養や控除の条件は、「年収」ではなく「所得」で決まっていることが多いです。たとえば、配偶者控除の条件は「配偶者の所得が62万円以下」。会社員(パート)なら、年収に直すと136万円以下(2026年分)です。
「所得〇万円以下」と書かれていたら、年収ではないことに注意しましょう。くわしくは年収の壁の記事をご覧ください。
手取りは年収の75〜85%くらい
年収から、所得税・住民税・社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)が引かれたものが手取りです。目安は年収の75〜85%くらい。毎月の給与明細で確認してみましょう。給与明細の見方は給与明細の記事でくわしく解説しています。
まとめ
- 収入(年収)は、入ってきたお金の合計
- 所得は、収入から経費(会社員は給与所得控除)を引いたもの
- 課税所得に税率をかけて、税金が決まる
- 扶養などの条件は「所得」で決まることが多い
- 手取りは、年収の75〜85%くらいが目安
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