「NISAとiDeCo、どっちをやればいいの?」「両方やったほうがいいの?」というご相談をよくいただきます。
どちらも税金がおトクになる制度ですが、いちばんの違いは「いつ使えるお金か」です。NISAはいつでも引き出せるお金、iDeCoは原則60歳まで引き出せない老後のためのお金。この違いがわかると、わが家に合う使い方が見えてきます。
ひと目でわかる!NISAとiDeCoの違い
| NISA | iDeCo | |
|---|---|---|
| 目的 | 自由(教育費・住宅・老後など) | 老後資金 |
| 始められる人 | 18歳以上 | 20歳以上の公的年金加入者など |
| 入れられる金額 | 年360万円まで (生涯1,800万円まで) | 月2.3万〜7.5万円まで (働き方で変わる) |
| 引き出し | いつでもOK | 原則60歳まで不可 |
| 積み立てたとき | 税金のメリットなし | 掛金が全額所得控除 (所得税・住民税が安くなる) |
| 増えた分(運用益) | 非課税 | 非課税 |
| 受け取るとき | 税金なし | 控除はあるが、税金がかかる場合も |
| 手数料 | 口座の管理料はほぼ無料 | 加入時2,829円 毎月171円〜 |
※2026年10月時点の制度です。iDeCoの掛金上限は2026年12月分からの金額です。
NISAの特徴
いつでも引き出せて、使い道が自由
NISAは、投資で増えた分に税金がかからない制度です。通常は利益の約20%が税金で引かれますが、NISAならまるごと受け取れます。
いちばんの魅力は、いつでも引き出せること。教育費、車の買い替え、住宅の頭金、老後など、どんな目的にも使えます。売った分の枠は翌年に復活するので、使ってもまた非課税で積み立てられます。
注意したいこと
- 積み立てても、所得税・住民税は安くならない
- いつでも引き出せるぶん、なんとなく使ってしまうこともある
- 元本保証ではないので、使う時期が近いお金には向かない
iDeCoの特徴
積み立てるだけで税金が安くなる
iDeCoは、自分で老後の年金を作る制度です。最大の特徴は、掛金が全額、所得控除になること。積み立てるだけで、毎年の所得税と住民税が安くなります。
2026年12月分からは掛金の上限が大きく上がり、企業年金のない会社員は月6.2万円まで積み立てられるようになります。くわしくはiDeCoの掛金上限アップの記事をご覧ください。
注意したいこと
- 原則60歳まで引き出せない(途中で使いたくなっても使えない)
- 専業主婦(主夫)や扶養内パートなど、所得税がかからない人は節税メリットがほぼない
- 加入時や毎月の手数料がかかる
- 受け取るときに、金額によっては税金がかかる
iDeCoでどれくらい税金が安くなる?
年収500万円の会社員(所得税10%・住民税10%)が、iDeCoに月2万円積み立てた場合
- 1年間の掛金:2万円×12か月=24万円
- 税金の軽減:24万円×20%=約4.8万円/年
- 30年続けると:約4.8万円×30年=約144万円
→ 運用で増えた分も非課税。ただし、60歳まで引き出せないことが前提です。
※所得税・住民税の合計20%で計算した目安です(復興特別所得税は除く)。
どっちを優先する?タイプ別の考え方
迷ったら、まずはNISAからがおすすめです。子育て世帯は、教育費や住まいなど、老後より前に大きなお金が必要になる時期があります。いつでも使えるNISAなら、家計の変化に合わせて対応できます。
| こんな方 | おすすめ |
|---|---|
| 教育費や住宅など、途中で使う予定がある | NISAを優先 |
| 専業主婦(主夫)・扶養内パート | NISAを優先 (iDeCoの節税メリットがほぼない) |
| 会社員・公務員で、老後資金を別に準備したい | NISA+iDeCo |
| 自営業・フリーランス | iDeCoも検討 (会社員より年金が少ないため) |
| 収入が高く、税金を多く払っている | iDeCoの節税効果が大きい |
iDeCoは「60歳まで使わなくても困らないお金」だけで始めるのが鉄則です。生活防衛資金や近いうちに使う教育費まで入れてしまうと、必要なときに家計が回らなくなります。
金額は「満額」ではなく「逆算」で決める
NISAは月5万円、iDeCoは上限まで。そんなふうに、なんとなく金額を決めていませんか?
大切なのは、制度の枠を埋めることではなく、「いつ・何に・いくら必要か」から逆算することです。必要な金額がわかれば、「もっと貯めなきゃ」という不安が減り、今使っていいお金も見えてきます。
老後のお金は貯まっているのに、今使えるお金がなくて、子どもの習い事や家族旅行を我慢している…というのは本末転倒です。将来も今も楽しめるバランスを見つけましょう。子どものためのお金の準備については、こどもNISAの記事でもお話ししています。
まとめ
- NISAとiDeCoのいちばんの違いは「いつ使えるか」
- NISAはいつでも引き出せて、使い道が自由
- iDeCoは掛金が全額所得控除。ただし原則60歳まで引き出せない
- 迷ったらNISAから。iDeCoは「60歳まで使わないお金」で
- 金額は満額ではなく、必要な額から逆算して決める
「NISAとiDeCo、いくらずつがいい?」と迷ったら、お気軽に無料相談へ。
保険を売らないFPが、中立な立場で一緒に考えます。
